「マジックマネー」の時代
―― 終わりなき歳出で経済崩壊を阻止できるのか
The Age of Magic Money Can Endless Spending Prevent Economic Calamity?
2020年7月号掲載論文
今日、アメリカを含む先進国は、双子のショックの第二波としてパンデミックを経験している。2008年のグローバル金融危機、グローバルパンデミックのどちらか一つでも、各国政府は思うままに紙幣を刷り増し、借り入れを増やしたかもしれない。だが、これら二つの危機が波状的に重なることで、国の歳出能力そのものが塗り替えられつつある。これを「マジックマネー」の時代と呼ぶこともできる。「しかし、インフレになったらどうするのか。なぜインフレにならなくなったのか、そのサイクルはいつ戻ってくるのか」。この疑問については誰も確信ある答えを出せずにいる。例えば、不条理なまでに落ち込んでいるエネルギーコストの急騰が、インフレの引き金を引くのかもしれない。しかし・・・
- 双子のショック
- 危機封じ込めに「必要なら何でも」
- 姿を消したインフレ
- アメリカの優位
- 私たちの通貨、あなたの問題
- FEDのジレンマ
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